Mariah Carey In N.Y.

96年3月の初来日公演が決定したマライアが、95年10月10日、マジソン・スクエア・ガーデンでテレビ番組のためのパフォーマンスを行った。その素晴らしいステージの模様を報告しよう。

Mariah Carey - FM Station Magazine (Japan) - January 9, 1996 - Scans
Magazine Scans
FM Station (JP) January 9, 1996. Text by Yuji Muraoka.

米フォックスTVが制作を担当したマジソン・スクエア・ガーデンでのコンサートは、MTVアンプラグドやNBCスペシャル同様、TV番組に合わせた公開録画的なショーである。だが、そこはスーパースターのマライア、ニューヨークを代表するライブの殿堂には、彼女のファンクラブや世界中のプレス関係者、チケットを買うことができたラッキーなファンが詰めかけ、異様な緊張感が漂っていた。

TVスペシャルとはいうものの、マライアのボーカルが生で聴けるのはもちろん、デボラ・クーパーをはじめとするコーラス陣や、ウオルター・アファナシエフがディレクター&キーボード奏者として参加したバック・ミュージシャンなど、パフォーマンスに必要な要素はすべてそろっている。ただ、進行役のMCがいたり、1曲ごとにパフォーマンスが中断したりと、番組制作ならではの設定が邪魔だったが、マライア本人の歌が聴けるのだから、ぜいたくはいえない。

実際、ハリウッド・ミュージカルを彷彿させるゴージャスなセットにマライアが登場してオープニング・ナンバーの「ファンタジー」を歌うと、会場をぎっしり埋めたファンはマジックにかかったように、彼女の虜になってしまった。

マライアの生のステージを観たことのない人に力説したいのは、彼女がCDと同様の、スケールの大きなボーカルを聴かせてくれること。CDではすごいのにライブはいまいちというアーチストは多いが、マライアは期待を絶対に裏切らない。今回のパフォーマンスも例外ではなく、とにかく見事なボーカルを聴かせてくれた。

とえば、ジャーニーのカバー「オープン・アームス」における非常にヒューマンな歌いっぷりや、ゴスペル・コーラス隊を従え、パワー全開で歌った「メイク・イット・ハップン」などは、まさに彼女の真骨頂といえる。

さらに「ワン・スイート・ディ」では、ボーイズIメンとのデュエットが実現。おまけに、マライアとウォンヤが「アイル・ビー・ゼア」をデュエットするという、意外なプレゼントまで用意されていた。

パフォーマンスも終盤を迎えたころに「ヒーロー」を歌い直すというアクシデントはあったものの、母び歌がはじまると、会場はまたもマライア・マジックにうっとり。

約2時間のパフォーマンスは、3月に実現するジャパン・ツアーの偉大なるプレビューとなった。