Mariah Carey “10 Sweet Days” In Japan

TV、新聞、雑誌とあらゆるメディアを巻き込んでの大騒ぎとなったマライア・キャリー初の日本公演。中には、無理やりSEIKO MATSUDAとライバルに仕立てあげたり、スーパースターと社長夫人の座を手中にしたシンデレラぶりをクローズアップしたりと、ささか脱線ぎみの報道も見受けられたが、そんな騒動の中、10日間の日本滞在をマライアはどう過ごしたのだろうか。注目のコンサートの模様を中心に、本誌も少しはしゃぎながら"マライアの240時間”を追ってみた。

Mariah Carey - FM Fan Magazine (Japan) - April 21, 1996 - Scans
Magazine Scans
FM Fan (JP) April 21, 1996. Text by Reiko Yukawa, Natsumi Itoh & Noriko Hattori.

3月5日午後1時、マライア・キャリーがハワイ発UA821便で成田に到着。グラミー賞の後、ハワイで数日の休暇を楽しみ、夫トミー・モトーラ同伴の日本入りだった。空港にはマスコミが殺到し、マライアはマネジャー、専属セキュリティ、そして日本側スタッフにガードされながら移動したが、ふと後を見ると、スーツケース10個以上を抱えたモトーラ社長が。そのバッグの多くがハンティング。ワールドだったことから、マライア狂騒曲はファッション界へも飛び火した。

まずは、そのハンティング・ワールドから。マライアの服装、持ち物をチェックするのがお好きなワイドショーがあって、彼女のボストンバッグがハンティング・ワールドのものだと報道されると、同社からぜひ使ってほしいと、貢ぎ物がホテルに持ち込まれた。ホテル内に設置された事務局の床にズラリ、ものすごい数のバッグが並べられたらしいが、どれだけがマライアの手元に届いたかは不明。

ワイドショーにマライアの話題が出ると、視聴率がアップするとのことのことで、記者会見以降ワイドショーのしつような追っかけが始まった。記者会見で「トミー・モトーラさんと松田聖子さんのうわさされている関係をご存じですか?」と、とんでもなく恥ずかしい質問をした某テレビ局のリポーター、その後もゴールド・ディスク大賞の授賞式にも現れ、「松田聖子さんと会いますか?」とまたまた間抜けな質問を。

さらにワイドショーは、ディズニーランド行きの情報にヘリコプターを飛ばしたり、ネタ切れに困ったあげく、ソニーの社員で通訳をしていた女性にまで取材を申し込んだ。今回マライアの取材には全ワイドショーが馳せ参じた。また、ある写真週刊誌は滞在中追っかけ取材を敢行した。

マライアにはルイーズというエグゼクティブ・イメージ・コンサルタントなるスタイリストが専属でついている。もともとは彼女のウェディング・ドレスをコーディネートした女性で、TPOに合わせたファッションのアドバイスをしている。マライア本人が好きなブランドはグッチ、アルマーニ、シャネル、ベルサーチ、カルバン・クライン、プラダなどだが、今回ディナー用などにグッチ、アルマーニをホテルに呼び、数点を買った。よく外タレが日本に来ると、買い物を楽しんでいるが、マライアの場合街に出て買い物することはなく、必要なものはルイーズの手配で店側を呼んでショッピングとなるようだ。宝飾品ではダイヤが好きで、いつもゴージャスな指輪とネックレスを身に付けているが、ソニ一側もディナーの時、ミキモトで購入した15万円ほどのダイヤと真珠が組み合わさったネックレスをプレゼントした。さすがに社長夫人に自社製品は贈れない!?

いつも関係者に囲まれているマライアは、ファンとの交流がないとすごく寂しがる人。日本滞在中も何かしたいと考え、コンサート初日が終わった翌8日に彼女の方からファンに会いたいと提案してきた。最初は渋谷のタワーレコードでサイン会という案もあったが、今までにやったことのないことをということで、FM番組出演に。しかも出るなら11日の月曜日しかないということで、急きょスタッフが動いた。TOKYO-FMのサテライト・スタジオでは大混乱になるだろうと、コンテナ車で仮設ステージを設置。番組への出演は10分足らずだったが、米国のBOX TVのインタビューにもそこで応じた。ちなみにMTVとETの計3局が本国から同行取材していた、また、この時今日これから「マキシム」に食事に行くの”としゃべったという誤報が流れ、同店のある銀座ソニービルには築地警察が出動する騒ぎとなった。

結局中止となったディズニーランド行きも彼女の遊園地好きからだが、やはりそこにもファンと交流したいという気持ちが強くあるからなんだそうだ。

体調やノドの調子をとても気にするマライアは、遊びに行くことをほとんどしない。それに出かける準備に時間がかかるタイプ。例えば8時にホテルを出るとなると、4時くらいから支度を、となるからたいへん。食事もホテル内のチャイニーズ・レストランなどで済ませることもあったが、12日は付き人の誕生日ということで、ゴールド・ディスク大賞出演後、まず青山にあるイタリアン・レストラン「エルトゥーラ」へ。夫トミーがイタリア系であることからも、マライアはパスタ好き。この店には2回も行き、ほかにも「スパーゴ」や「キャンティ」に出かけた。その日は食事後、渋谷のクラブ「ケイブ」へ。好きなのはクリスタル・シャンペンや赤ワインだが、そこではビールなどを少々。積極的に踊るタイプではないが、メアリー・J・ブライジの曲では踊っていた。

21歳も離れた夫との不仲説 レコード会社にも来日前に夫婦危機説が伝えられていたそうだが、実際はベタベタの仲。モトーラ氏はマライアがかわいくて仕方ないようすだし、マライアは夫を頼りきっている。周りが赤面するほどの甘い会話を交わしているとか。傲慢でゴールドディスク大賞出演時も狭い楽屋入りを拒んだ説 スタッフを含めほとんど楽屋入りをしなかったのは事実。その理由は狭いこともあるが、廊下を含めそのフロアはタバコの煙りがすごかったから。マライアはノドのことを考え、極端な煙り嫌い。ステージでスモークをたくのも嫌がるほど。だから、あまりにひどい状況に出演前までNHK本館の応接室で待機していた。ホールの外にあったバスはバックコーラス用。というのも4人中2人が巨漢で、楽屋のイスでは収まりきれないから用意されたという。

NHKホールの楽屋にスウィートルームを作らせた「東京スポーツ」で報じられた記事だが、実は東京ドームの間違い。といっても、スウィートではなく、来客をもてなす"ファンタジー・ラウンジ”が設置されていて、そこでスポンサーなどと会っていた。

食事関係にもリクエストはほとんどなく、用意させる飲み物もスナップルズのアイス・ティ、水、コーラ、はちみつ、紅茶セットなどごくごくフツーのもの。スタッフを食べ物手配で走らせることも少なく、NHKホールでの待機時間にパスタが食べたいといって、スタッフが西武百貨店の地下まで走ったことぐらいだった。