マライア・キャリー

ヒップホップからハウスまでマライア・キャリーの多彩な才能

Mariah Carey - FM Fan Magazine (Japan) - October 8, 1995 - Scans
Magazine Scans
FM Fan (JP) October 8, 1995. Text by Natsumi Itoh.

マライア・キャリーにインタビューして番に感じたことは、とにかく音楽好きだということ。曲作りのことなど話しはじめたら、満面に笑みをうかべて止まらないのである。アルバム「デイドリーム」からのシングル曲「ファンタジー」には、彼女が大好きなトム・トム・クラブの曲「Genius of Love(邦題:悪魔のラブソング)」をサンプリングしている。

「私はあの曲と一緒に育ったようなものだから、絶対に使いたかった。最高の作品だし、不思議なマジックを感じさせる曲。そこに私の曲を加えることでユニークな何かができると思ったの」

ショーン"パフィコムスが手がけたリミックスに、意表を突くようにオール・ダーテイ・バスタードを起用したのる、彼女のアイディア。「Genius・・・」に歌とラップの中間のような掛け声がいくつも入っていたので、それに共通するフレーバーを「ファンタジー」にも取り込みたいと、彼に参加してもらったそうだ。

「ラッパーを起用しようと思った時に、すぐに彼を思い浮かべたの。私と彼とではまった<正反対だから、それがかえって面白い効果を生むのじゃないかと。私自身、ユーモアのセンスがないとやってゆけない家庭に育ったから、こうやって周囲を驚かせるのは好きなのよ」

いくつか簡単に曲を紹介していけば、アンダーグラウンド・ハウスをめざしたというデヴィッド・モラレス、サトシ・ミイエとの作品「デイドリーム・インタールード」は明け方の5時まで歌入れを続けて、2曲のバラードをブリッジさせたような不思議なバイブを生み出すことができたと話す。ボーイズIIメンと具作・共した「ワン・スウィート・デイ」は、偶然にも双力が持ちがったメロデイが似ていて、しかも双方ともそれぞれある亡くなった人を思っておいた曲だったので、全員がこの偶然性に驚いてかつてないほど気持ちを高揚させてレコーディングに向かったという。後半になるほど各ボーカルがまるで天に吸い込まれるようにして満を描いていくが、そのようすは現代のゴスペルと絶賛したいほどの素晴らしい仕上がりなのだ。

「あの曲は全員がものすごい事能の持ち主だから、非常にエキサイトしたの。起こるべくして起こった運命を感じさせる曲だったわ」

ベイビーフェイスとの曲では、マライアの低音をじっくり聴くことができるし、ジャーメイン・デュプリとのダンス・ナンバーでもざん新な試みを体験することができる。

「でも、ダンス・ミュージックこそ時代性を感じさせるナンバーだと思われているけれど、私はバラードこそ後になって聴き返した時に時代を反映させられると思う。くフォーエバ→>は50年代と90年代の出会いという意味も合めて、いろいろ試した結果、ああいうシンセサイザーのストリングスを使ってみたの」

サウンドの方ばかり重視してしまいそうだが、歌詞にもラブソングに終始していない興味深い点がある。「ルッキング・イン」では自分を各観視して、”彼女”と“自分とに歌い分けている。「ある瞬間の私の内面のほんの部を表しただけ」とマライアははにかんで説明するが、重々しい曲調ながら、彼女の新たな一面を見せていて注目されそうだ。そういえば、大ヒットした「ヒーロー」が、「自分が自分自身のヒーローとなり、どんな出来事も乗りりれる強さを持ちたい」という彼女のポリシーを歌っている曲だったのを思い出した。本体部でもこうやって彼女】身を出していくことで、また地感を呼び、評価が高まっていくのではないだろうか。

数について各スペースがなくなってしまったが、それはアルバムを聴いてじっくりと味わっていただきたい。「私にとって歌うことは、周りにどんなことが起こっていようとも歌がすべてを吸収してしまう。それくらい私にとって素晴らしいことなの。歌っている間だけでも別世界に行けるような・・・・・・」

それは、マライアの歌に魅せられて聴いている人にも同じことがいえるにちがいない。